なんでもかんでも。

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どうもお久しぶりです!
生きてます。
私生活が忙しいわけでもないのですが、萌えと創作の方面があっちゃこっちゃいってる最近です。
でも、ムラユは今でも大好きです!
たまにふわっとあがって小話書いていけたらとはいつも思っているのでしばらくはこのままになりますが…
よいお年をお過ごしください^^
では続きでSSでも。
クリスマスの音楽が街にあふれて、TVでは毎年恒例の番組がやっている。
クリスマスをひたすら楽しみにしていたのは子供の頃で、その日はいつの年だって両親が僕を愛してくれているのが実感できた。
今では渋谷が隣にいて、僕を愛してくれている。毎年同じ様に幸せで、僕はいつだってプレゼントをねだろうなんて思いはしない。
欲しい物は手に入れるのが定石だから。
「何か、そういうのデキる男っぽいよな」
「そうだね、渋谷には敵わないけど」
「何言っちゃってんの」
ピ、と給湯器のスイッチを切って渋谷はシンクの上を拭く。冬場の洗い物は冷たいからお湯でするのが一番、そう言う彼の為に僕は食洗機を買うことを提案したのだが、生憎断られてしまった。普段そんなに食器も汚れないんだからいいよ、って。
だから僕は彼の手の保護にちょっといいハンドクリームを用意して、それには彼もにっこり笑って喜んでくれた。
ほら、これだけで渋谷の笑顔が手に入った。
「はい、ちゃんと塗っておきなよ」
「サンキュー、お前もな」
「そうだね、渋谷に怪我させたら悪いし、ちゃんと爪も切っておくね」
「…前言撤回。オヤジめ」
「何言ってんのー、僕は渋谷と同い年じゃないか」
「記憶は遥か彼方だろ」
目を細めて僕を見るその視線もくすぐったいと思う程には渋谷の事が好きだなって思う。
僕の所に最初にサンタがプレゼントを持ってきたのは生まれる前だったけれど、物心ついてから一番嬉しかったクリスマスプレゼントは渋谷からのキスだったって事は、現世では内緒にしておくつもり。
ソファに凭れるその横顔が可愛いなと肩に触れれば、なんだよ、と言う目で見られる。
「ゆーちゃん、好きだよ」
「…知ってる」
「あーもう、可愛いなー有利は」
「可愛いって言われても嬉しくないっつーの」
「違うよ、愛してるから可愛いの」
うっ、と言葉に詰まった渋谷の頬が緩むのも解っていて僕は愛の言葉を囁いているつもりなんだけど、いかんせん僕もシャイなシティボーイだ。正直言ってイタリア人みたいには振る舞えないわけで。
照れられるとこっちだって気恥かしいの、解って無いのかな。
「村田、顔赤い」
「…渋谷が照れるからだ」
「有利って呼ばないの?」
「…有利」
僕だってたまには君のペースに乗ってみたいし、翻弄されたい。求められる事は酷く幸せな事だって気付かせてくれたのも、クリスマスの夜だったっけ。
好きな人の顔がそっとこちらに寄って、逃げられない様に腰に手を回されたら僕だって嬉しくなってしまう。
「何か、全て村田の思い通りで悔しいんだけど」
「とか言って、渋谷の思い通りなんでしょ?」
「…そうかなぁ」
整った唇が僕のに重なると、濡れた舌先が躊躇なく入ってくる。受け入れる様に誘導して柔らかさを確かめれば好きだ、という気持ちが全身を駆け巡る。
渋谷の欲しいものは、僕なのかな?
「…っは」
「…」
薄く開いた口が離れると潤んだ瞳とかち合う。
声にならない視線が、答えを教えてくれた。
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