なんでもかんでも。

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御心配くださった方々、本当にありがとうございます。
なかなか生存報告が出来ずに申し訳ありませんでした。
うちの県でも地域によって、洗濯機でかけられたかのように
瓦礫や家財などがめちゃくちゃになってしまっているところがあります。
応援や、救援物資が届けられているみたいです。
宮城の被災が一番ひどかったので、そちらにメディアが流れていってしまいますが
他の地域でも確実に被害は出ているのを忘れちゃいけないと思いました。
ただひたすら幸せなムラユを書こうとしたらちょっと違う感じになってしまいました…
続きで投下です。
目覚めたら外は晴れていて、僕はベッドから抜け出す。
カーテンを思いきって開けると眩しい光が降ってきて、それは凄く、目がくらんで仕方ない。
その重たいカーテンとは裏腹に、今日の空気はとても軽い。
「…まぶしー」
おはよう、の代わりに投げられた言葉に振り向くと、体勢を変えて窓から顔を背ける姿がある。
僕はベッドに戻ると、少し冷えた体を嫌がらせみたいに彼に押し付けた。
「おはよう」
「…はよ」
まだ寝ぼけている彼の首の隙間に鼻を突っ込んでにおいを嗅ぐ。あったかくて、それは僕の胸をざわつかせては時折、躍らせる。
「…渋谷がいなくなる夢、見た」
「…夢で良かったなぁ」
「うん、ほんとに良かった。あいしてる」
背中から腕を回して、無理矢理手を掴んで絡ませると、渋谷はようやくこっちを向いて。
「…朝から、甘すぎだろ」
まるでチョコレートドリンクみたいな、どろっとした甘さに浸りながらも渋谷は僕を咎める。
胸をさらう波は、きっと一生耐える事は無いだろう。
僕が渋谷を失うよりもきっと、渋谷が僕を失う。
未来は見えない僕だけど、これだけは変わらない。正夢になると知ってる。
「甘くないよ。たまに苦い」
「それが美味しいんじゃねえの?」
渋谷の寝ぼけ眼が僕を捉えると、もうちょっと、と呟いて胸に顔を埋められる。
かかる吐息は、左胸から全部を暖かくして、僕を波から救ってくれる。
渋谷、君が好きだよ。
せかいでいちばん。
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