なんでもかんでも。

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今日はちょっとひんやりしています。
寝る時に布団を何枚か重ねてるんですが、いつ減らすタイミングなのかつかめないです。
そんなわけで小話。
今日、会社の食堂でカレーにカツをサービスしてくれるキャンペーンをやっていたので
そこから思いついたっていうね。
勿論カレー食べましたよ。先着120名だったけど食堂近かったので余裕でした^^
『よー、渋谷。知ってるか?明日限定200食で、カレー頼むとカツがおまけでついてくるんだってよ!』
って、同じゼミの奴が言うから。
「わざわざ僕の事、誘ってくれたってわけだよねー」
ルンルン、と言わなくていい擬音をわざわざ口で言いながら村田は食堂のある棟への道をスキップする。
勿論のことだがここはおれが通う大学であって、村田の言っている全国でも有名なトップクラスのそれとは違う。
なのにどうしてこいつがおれの前を歩いても目的地に行けるのかはもう、説明せずとも解って欲しい。
「渋谷んとこの学食、手作りプリンがあるからいいよねー。あと氷コーヒー。あれ飲んだ時僕感動しちゃった」
「おー、あれ美味いよな!って村田、熟知しすぎじゃねーの」
同じ家で暮らしてるんだから、そこまで一緒にいなくてもいいんじゃねーの?とか思う位には、村田はおれの大学に遊びに来ている。村田の定期券内におれの大学があるからかもしれないが、そこまでされるとこいつ友達いないんじゃ…とさえ思ってしまう。
まぁそんな事は無くて、村田の学校の友達っていうのにも会った事はあるし、一緒に飯も食った事はある。勿論、その逆…は意外にも少なかったりするのだが。
「なぁ、おれのサークルの奴とかが今日飲みに行こうって言ってるんだけど村田もどう?」
「僕は遠慮しとくー。渋谷と三限出たら帰るよ」
ほら、こうやって必ずと言っていい程拒否してくる。別に社交性が無い訳じゃないんだから普通に受け入れてくれると思うのに。
「おれの友達に大学とかばらしたくねーの?」
「そういうのじゃないって」
食堂に入ると村田はさっさとカレーの食券を買いに行く。手に持つ財布の色は、青じゃない。
「あれ、これ外食費じゃ?」
「でも、僕プリン食べたいし」
「いいよ、おれも食いたいから。二人分」
後ろから手を伸ばして『2人分』のボタンを押すと、村田は取り出した青い財布からお金を入れた。
ライオンズの青い財布は、月額を決めた外食費だ。二人で食事する時はそこから出すことにしている。
「やったねー。何か自分の財布はダメージを受けないって解るとちょっと嬉しくない?」
「まぁな」
食券を手にカレーを貰うと、カツが三切れおまけで載ってきた。それにプリンと水は飲み放題。ちょっと嬉しい380円+100円(プリン)だ。
「…あ、だからか」
「何が?」
「村田が飲み会に来ないの。共同財布の中身が減っちゃうからだろ?」
「まさか、そんなわけないだろ」
おれの鋭い読みを難なくかわして、村田はカレーを頬張る。
さらっと返す仕草は何かちょっと、怒っている様にも見えて。
「イラッとした?」
「え?いや、カレーが美味しくて僕はご機嫌だよ。っていうかさ、そこまで気になるの?」
「そりゃ気になるさ。おれが仲良くしてる友達だから、村田にも紹介したいし、おれだって村田を紹介したいし」
「…そういう風に素直に言われると揺らいじゃうんだけど、やっぱり余り接触はしたくないっていうか、でも今の言葉は結構嬉しかったっていうか」
「…で、結局何が理由なの?」
丁度カレーを食べ終わった村田に促すと、プリンにプラスチックスプーンを差し込んでからおれを見る。
「じゃあさ、何で僕が頻繁にここにくるか解る?」
「へ?」
「それが解ったら、自ずと答えは出ると思うよ」
そう言うと村田はプリンを口に運び。
「やっぱりここのプリンは美味しいね」
と笑うだけだった。
****
続きます。
たぶん。
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