なんでもかんでも。

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ラキドオンリーお疲れ様でした!^^
戦利品読んでたら小話浮かんだwwwwジュリジャンというかなんていうかwwww
合同誌、すごくいい出来でした!皆さまのお話まだ読みこんでないのでじっくり読もうかと思いますw
感想はまた後日に^^
say good day baby 今年もまた めいっぱいのキャンディー プレゼントで うめつくそう
「―そう、甘いクッキーバーとね、ストロベリーアイス。それを五つ。ああ、一個多くていいから」
とびっきりの甘いドルチェをリクエストしてから、車に乗りこんだ。今日は一段と冷え込んでいるから、マフラーを持って行けとベルナルドに言われた。全く、そんなモンつけるなんてティーンエイジャーじゃないんだからと一蹴すれば、数年後を見てろよ、と軽口をたたかれる。
気遣いとか思いやりとか、そういうのは全部解っている。それでも俺はわがままを言ってしまう、それを許してくれるのは正直凄く、助かる。
「今日のシノギ終わったら、一寸寄りたいところあるから、お願いネ」
運転手に告げれば、解っていますと言うように軽く会釈を返された。
心のよりどころが無いわけじゃない。実際、皆がいないと生きていけないとも思った事は何度もある。
それくらいに信頼しているし、隠し事も何もない。まぁ、仕事関係については。
―あんな情けない俺を知っているのは、直属の部下のみだ。CR-5、の野郎達だけ。
だから俺は、きっとここにいるんだ。…ここにいれるんだ。
「…お疲れ、ちょっとだけ、時間ちょーだいね」
見知った道の見知った路肩に車を停めさせると、護衛を連れて外に出る。軽装、荷物無し。カポに就任してもこういうところの無防備さは全然改善されない。それが俺なんだけどね。
「くそ、寒いな」
「カポ、これを」
護衛の一人が差し出したのは、ベルナルドが持たせたマフラー。見栄を張って突っぱねようとしたけれど、ふと思い立ってそれを受け取った。
公園の中は閑散としていて、目的の場所まで誰にも会わなかった。公園墓地になっている広い区画は、人っ子一人いない事が当たり前かの様に、静かにたたずんでいる。
―その一角に、ジュリオの墓はあった。
「ダーリン」
ボンドーネ家の次期当主とは思えない程の小ぢんまりした墓。それはジュリオの親族が、代々の墓に入れるのを拒んだからだ。
『チンピラの抗争如きに巻き込まれて犬死にした』ジュリオの墓は、俺が建てた。
その身がそこに眠っているかは問題じゃ無くて、ただ形にしておきたかったんだ。
ジュリオと俺が、共に過ごした日々があったという、その証を。
「外は寒いだろ、あったかくしてろよ」
持ってきたマフラーを墓にかけてやる。墓碑の前に置かれた白い花は恐らく、イヴァンの仕業だ。
手描きと思われるバースデーカードが添えてあって、つい微笑んでしまった。
「愛されてるな、ジュリオ」
そのまま一歩下がって墓を見渡すと、ジュリオの事を想った。
恐らく、天国には行ってないだろうから。地獄の飯はどうですかって。
あと、俺は元気だ、と。
最後は口に出して呟いた。
「ハッピーバースデー、マイスイートダーリン」
「ごめん、遅くなった?」
「いや、俺も今来たトコロ。見ろよジャン、いいシャンパンが手に入ったんだぜ」
「ワオ、すげーな!」
エントランスでルキーノと合流すると、ベルナルドの部屋に直行する。恐らくもう、今日の仕事を終えたイヴァンもそこにいるだろう。
頼んでおいたドルチェも部屋についてるなら、直ぐさまパーティのはじまりだ。
年に一回、ジュリオのバースデーパーティ。
俺からのプレゼントは、カポであり続ける事。
そしてこれから先も、ずっと、誕生日を祝う事。
Don't say good bye baby きみとさよならした日なんて 覚えていないよ 生まれた日は ずっと忘れない
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